考える水草

「考える水草」主宰:水沼佑太の冒険の記録

水沼佑太 John Muir Trail へ行く 9

サンフランシスコ 6日目 ヨセミテへ出発

 

今日はいよいよ出発。

出発の朝は早い。ヨセミテ公園行きの乗り換えバスからの逆算するとどうしても早い時間の出発になった。

 

朝6時の電車に乗って、◯を目指す。ここで朝食。あまり商品は豊富ではなかった。

 

ここ住宅地では麻薬、銃、禁止の警告が不安。自転車もしっかりゲージに囲われている。どんな気持ちでここに住民は住んでいるんだろう。

 

乗り換えの時間を迎えて、大きな電車amtrakに乗車。
大きな座席だ、大きな窓だ。

大きな大きな自然がこれから待っている!!
一気にテンションがあがる。

 

ちょうど隣は日本人の観光客であった。新婚旅行であった。身なりもきれい。笑顔もうっとりするほど二人は仲睦まじい感じ。いいな。

 

走りゆく景色は15分くらい見ていても、景色のおおよそは変わらない。どこまでも何もみえない。ずっと続く、田畑、パイプ、細い川だ。

 

揺られること約1時間、目的の駅に到着した。ここでバスに乗り換える。

 

いよいよここからヨセミテ国立公園行きのバスに乗るのだ。

 

 

サンフランシスコでは全然見かけなかったが、大きなザックを背負ったハイカーがたくさん。アメリカ人だけでなく、その他の国の言語を話している。うきうきとしたみんながバスを待っている。

 

一人、目のぎょろっとした外国人に話かけられた。

君たちは日本人か・・・。ええそうです。おれも日本人だ。君たちは若いね。いいな。その年でここに来れていることを羨ましく思うよ。と言われる。

日本人と話をするのは久しぶりだという。私も質問をした。

おじさんは何をしにここに来たのですか?おれかぁ・・・。おれは、日本での仕事づくめの人生が定年になってやっと終わったんだ。これから何をしようと彷徨った。そして見つけた、ふらっと旅をしようと。もうどこで野垂れ死にしても何も未練はない。とりあえず先日、男も女も関係なくみな裸でチャリを漕ぐっていうイベントに行って来たぜ。爽快だった。面白いぞーという。それでも満足はしてない様子だった。

そのおじさんも含めてみんなヨセミテ公園行きのバスに乗り込む。

 

 

最初はまだ郊外といったところを走る。ちょっと暇だった。相棒に本を借りた。
旅の雰囲気をいっそう上げる良書「旅する木」を読む。そう、より良い旅を求めて。

 

バスは乾燥した大地を走る。

黄金色の草原が風に揺れる。

 

郊外が後方に小さくなって来たことを確認。心が高まってくる。これから大自然に抱えられて生活するんだ。全部景色を見て吸いこみたいと思って目も耳も鼻も大きくあける。

 

バスは谷の合間を走り、奥へ奥へ進んで行く。花崗岩の肌があちらこちらで見える。

 

とっても大きな滝が見えた!けど、すぐに過ぎ去る〜。えええ〜!アメリカはあの景色スルーするんや。期待が一層膨らんだ思い出だ。

 

カーブカーブの揺れと朝早起きした疲れと車内のクーラーが私の体内に心地よさを与える。景色は森に入って、眠るには最高だ。うとうとしてしまった。

 

 

みんな続々とバスを降りていた。とりあえずよくわからないところで降りた。どうやら降りるところを間違えた。しかし問題ない。この国立公園内は循環バスが定期的に回っている。次のバスに乗り、落ち着いたところで水を飲もう・・・。

 

ない。水筒がない。
水筒が旅に出てしまった。
お気に入りだったが、ここでお別れ。
突然すぎて焦った。バイバイおれの紫色の水筒。

 

少し話がずれるが、水筒に触れておこう。

この水筒は、学生の頃、東日本大震災の時に、被災された状況を今見なければと思い立って仙台に行った帰り道、その記憶を留める為に市内のアウトドアショップで買った水筒だった。

 

 

あの時はまだ山形に住むと思ってなかったし、自分の山登り初期を支えてくれたメンバーだった。本当にありがとう。