水沼佑太 John Muir Trail へ行く 10
John Muir Trail 1日目
ヨセミテ国立公園ビジターセンターにようやく到着した。
早速パーミッションの取得に向けてインフォメーションセンターにいく。そこにたくさんの観光客。受付のレンジャーに問い合わせる。ものすごい明るい大きな笑顔で迎えてくれた。
本気で仕事をしている人ってものすごい。Hello ! というだけでこんなにも感動させられるなんて・・・。僕の人生の中で最も記憶に残る笑顔だった。許可証を発行してくれる場所も快く教えてくれた。
教えてもらった許可証を発行してくれる施設に行く。中にはすでに5人くらい人がいた。基本はインターネットから自分の歩くルートの許可証を入手するのだ。しかし、近年のハイキングブームもあり予約は簡単に取れなくなっている。私たちも準備が遅く、取れなかった・・・。キャンセル待ちに望みをかけて日本から来たのだ。
私たちの前に並んでいたチェコ人親子も許可証を持ってないという。一緒に聞いてみた、キャンセルしている人はいるのか?恐る恐る聞いてみる。
答えは横に顔を振りながらNO。
ガーン・・・。一同落ち込む。
レンジャーのお姉さんも、ぜひ行かせてあげたいんだけど、ルールなのっていうとても悲しい表情だった。あの目は本物だと思った。少し目が潤んでいたように思う・・・。明日また午前10時に来てくださいとのことだった。
こうなる結果はよくイメージしてきたのだ。ひとまず気持ちを落ち着かせて近くのキャンプサイトに向かう。この小道がちょっと遠い。15分くらい歩く必要がある。こんなところで遠いと思っていたら・・・。なかなか複雑ですね。人間。
キャンプサイトにたどり着いた。とっても大きな木々が立ち並ぶ。その間を間伐し、キャンプサイトが作られている。掲示板にルールが掲げられている。
ここのキャンプサイトはセルフで支払いを済ませる。方法は備え付けの封筒にお金を入れて半券を自分のテントにくくりつけるというもの。朝と夕方、レンジャーが半券を確認しに来る。アナログ感も含めとてもいいサービスだ。
はやる気持ちを抑えず、テントを立てる。そう、人生で初めて買ったテントを組み立てるのだ。自立式のテントなのでペグダウンも不要で立てやすい。
いいな〜これ!!嬉しかった。楽しかった。
冒険なんて言葉とはとっても遠いが、憧れていたヨセミテ国立公園で寝れること、とっても心地良かった。この雄大な自然も素晴らしいし、ちょっと都会の人も気軽に来れて、その自然の素晴らしさを受けることができること、とてもすばらしい。誰しもがこんなふうに自分のテントを買って、持っていき、デビューする。
テントを立てると荷物を投げ込み、川に水を汲みに行く。川の水、とっても冷たい。砂地まですっきり見える透明度だ。水深のあるところはビー玉のような透明感のある緑や青色。
近くには水浴びしているカップルもいる。とっても心地よいこの時期に都会から来たであろう人たちだが、森に暮らす人間らしさを感じた。
でも近くには使ってはいけない、石鹸を使っている人もいた・・・。
私は自分の庭を汚されるようにかなり気を落としたが、そんなことを微塵も感じさせない水量がそれとなく流し。もう終わった。なにもなかったことのように。人間の生活では当たり前なことだから・・・。
都会の生活が頭をよぎる。そんなこんなも向き合う良い旅にしようと思った。
いいスタートが切れたぞ。今日!
その後、近くのスーパーにいって食材を買いにゆく。ほとんどの食料は持っているが、しばらく口にすることができない生鮮食材を買いに来た。
スーパーではりんご、バナナ、スプライトは祝いと水筒の代わりにだ。よろしくな。買いそびれていたライターと小分けに便利なヨセミテバックを記念に購入。
夜は早速お湯を沸かしてカップ麺をつくる。
となりのドレッドヘアーと熊のような大男が笑顔をくれる。最高の夕食だ。
食事後、その彼らに歩み寄って話を聞く。彼らはPCTハイカーだった。メキシコからカナダ国境まで約4,200kmを1年かけて歩くのだ。二人ともこのためにお金を貯め、そして仕事を辞めて来たという。
こういう人に会うと、勇気をもらえる。本物のハイカーはむちゃくちゃ格好いい。
次どこで会えるかなんて全くわからないけど私の人生で彼らを尊敬し続ける。
彼らの成功を祈る。
周囲には見たこともないようなテント達がたくさんあるので、なおもお散歩する。
水沼佑太 John Muir Trail へ行く 9
サンフランシスコ 6日目 ヨセミテへ出発
今日はいよいよ出発。
出発の朝は早い。ヨセミテ公園行きの乗り換えバスからの逆算するとどうしても早い時間の出発になった。
朝6時の電車に乗って、◯を目指す。ここで朝食。あまり商品は豊富ではなかった。
ここ住宅地では麻薬、銃、禁止の警告が不安。自転車もしっかりゲージに囲われている。どんな気持ちでここに住民は住んでいるんだろう。
乗り換えの時間を迎えて、大きな電車amtrakに乗車。
大きな座席だ、大きな窓だ。
大きな大きな自然がこれから待っている!!
一気にテンションがあがる。
ちょうど隣は日本人の観光客であった。新婚旅行であった。身なりもきれい。笑顔もうっとりするほど二人は仲睦まじい感じ。いいな。
走りゆく景色は15分くらい見ていても、景色のおおよそは変わらない。どこまでも何もみえない。ずっと続く、田畑、パイプ、細い川だ。
揺られること約1時間、目的の駅に到着した。ここでバスに乗り換える。
いよいよここからヨセミテ国立公園行きのバスに乗るのだ。
サンフランシスコでは全然見かけなかったが、大きなザックを背負ったハイカーがたくさん。アメリカ人だけでなく、その他の国の言語を話している。うきうきとしたみんながバスを待っている。
一人、目のぎょろっとした外国人に話かけられた。
君たちは日本人か・・・。ええそうです。おれも日本人だ。君たちは若いね。いいな。その年でここに来れていることを羨ましく思うよ。と言われる。
日本人と話をするのは久しぶりだという。私も質問をした。
おじさんは何をしにここに来たのですか?おれかぁ・・・。おれは、日本での仕事づくめの人生が定年になってやっと終わったんだ。これから何をしようと彷徨った。そして見つけた、ふらっと旅をしようと。もうどこで野垂れ死にしても何も未練はない。とりあえず先日、男も女も関係なくみな裸でチャリを漕ぐっていうイベントに行って来たぜ。爽快だった。面白いぞーという。それでも満足はしてない様子だった。
そのおじさんも含めてみんなヨセミテ公園行きのバスに乗り込む。
最初はまだ郊外といったところを走る。ちょっと暇だった。相棒に本を借りた。
旅の雰囲気をいっそう上げる良書「旅する木」を読む。そう、より良い旅を求めて。
バスは乾燥した大地を走る。
黄金色の草原が風に揺れる。
郊外が後方に小さくなって来たことを確認。心が高まってくる。これから大自然に抱えられて生活するんだ。全部景色を見て吸いこみたいと思って目も耳も鼻も大きくあける。
バスは谷の合間を走り、奥へ奥へ進んで行く。花崗岩の肌があちらこちらで見える。
とっても大きな滝が見えた!けど、すぐに過ぎ去る〜。えええ〜!アメリカはあの景色スルーするんや。期待が一層膨らんだ思い出だ。
カーブカーブの揺れと朝早起きした疲れと車内のクーラーが私の体内に心地よさを与える。景色は森に入って、眠るには最高だ。うとうとしてしまった。
みんな続々とバスを降りていた。とりあえずよくわからないところで降りた。どうやら降りるところを間違えた。しかし問題ない。この国立公園内は循環バスが定期的に回っている。次のバスに乗り、落ち着いたところで水を飲もう・・・。
ない。水筒がない。
水筒が旅に出てしまった。
お気に入りだったが、ここでお別れ。
突然すぎて焦った。バイバイおれの紫色の水筒。
少し話がずれるが、水筒に触れておこう。
この水筒は、学生の頃、東日本大震災の時に、被災された状況を今見なければと思い立って仙台に行った帰り道、その記憶を留める為に市内のアウトドアショップで買った水筒だった。
あの時はまだ山形に住むと思ってなかったし、自分の山登り初期を支えてくれたメンバーだった。本当にありがとう。
水沼佑太 John Muir Trail へ行く 8
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到着してみると、そこはスーパーっていうよりは八百屋さん。お魚屋さん。お肉屋さん。でした。生鮮品はもっていきたいけど、重くて保存が効かないので諦めた。
今回通信SIMは準備していなかったので、宿にいるときに情報を調べ、オフラインでも使える地図アプリを使用し街中でも使っていた。
アメリカには夢の国というイメージがあり、なんでも揃っているだろうと思っていた。食事も含めてたくさん経験・工夫したいと思ってのことです。日本から持ってきたのは、ふりかけとお吸い物の素3袋ずつと梅エキス・ビタミンサプリのみ。とっても軽い。
あとは飲み物として、コーヒー、ココアを準備。粉末スープは、私たちがいったスーパーにはどこにも置いてなかった。アメリカでは缶詰で売っているみたい。これは日本で準備した方がすごくいい。